間に合った(笑)

ピアノに消音装置を付けた。

 

子供らが巣立ったあと、

マンションの他の住人も年をとり、

ピアノを習っている小学生もいないのか、

ご近所からも、ピアノの音が聞こえることもなくなった。

 

私は、いつも弱音ペダルで遠慮しいしい弾いていたが、

弾けない曲を反復して練習していると、

なんだか自分が騒音をまき散らしている気がして

嫌気がさして、

ピアノに向かう時間が無くなっていった。

 

しかし、弾けない楽器を置いているのはもどかしく、

自分の中の半分以上が機能していない気分で毎日を

過ごしていた。

ウクレレを習い始めたのも、生音が小さいから、

ということもある。もちろん、夜間はひかないけど。

 

このまま、弾かないピアノを置いておいてどうなる。

いつどうなるかわからないこの世の中。

思い切るなら今でしょ、と思い立ち、

「消音装置つけたいんですが。」と申し込んだのは1月末。

 

そして、先日、昭和59年製のピアノに

消音装置が付けられた。

ヘッドホンをして、鍵盤をたたくと

グランドピアノの音が響き渡る。

何度もヘッドホンを外して、

実際に音が出ていないことを

確かめるほどの、ナチュラルさ。

付けてよかった。

何にかは知らないけど、

「間に合った、間に合った」と呟いた。

これからは、毎日弾ける。

これからは、どんな楽器もサイレント化が

必要ですね。

もちろん、大きな一軒家の方には必要ないかもしれんけど。