えんぴつ1本あればいい、だと!?

9時過ぎに事務所へ行ったら、新しい館長がいた。

前館長が整理していたのにもかかわらず、机の上のPCを動かし、ブックスタンドを動かし、雑巾で拭いたり、引き出しの整理をしていた。

ペン、付箋などを整理していたので、「何か足りないものとかはありませんか?」と聞いたら、
「僕はあんまり文具は使いませんからね。鉛筆があったらそれでいいから。」とおっしゃった。ガーン!!(@_@)


噂では、この館長は、前の赴任先では主事がほとんど仕事をして、自分は公民館の前の道で、小学生の登下校の旗持ちをしていたという。
そして、掃除をするのが大好き、とのことだった。噂どーりであった。

前の館では、それで済んだけれども、うちの館に来た限りは、そんなことではすみませんよーー、と言いたかったが、そんな事をいきなり言っても理解できるはずがない。


まず、主事が違う。宇宙人である。
事務員がまっさらの新人である。行事がめっちゃ多い。

主事がすべてを取り仕切って、なにもかもこなして、館長はその確認だけしていればよい、と思っているのだろうが、隣町へ引っ越してきたつもりが、実はドアををあければタイに居た、くらいの違いである(一応、同じアジアではある)

11時ころに、本庁で辞令をもらって事務員さんが来た。
去年度は市役所の出先でアルバイトをしていたという。まだ小学生の子供さんがいる若いママである。
うちの地区の住民である。色々な面で安心した。

そして、仕事の引き継ぎをした。
1時半くらいに一旦区切りをつけて、残りは明日午前に、ということで、お昼を食べに帰った。


今月末に、さっそく住民運動会がある。
その準備の説明を少しした。
その時に、昨年度の住民運動会の記録写真などを見せて、このように準備を、と言いたかったのだが、その写真がアルバムに整理されていなかった。

え!?と毎年の記録アルバムの保管庫を見たら、去年度の行事写真がすべて袋に入ったままだった。

1年分、整理してないのかよ〜〜、とあきれかえり(主事の仕事)、とにかく「住民運動会」と書かれた袋の中を見たら、記録とは言えない単なるスナップ写真がごそっと出てきた。
宇宙人に、
「去年度の写真、1年分アルバムに貼ってないやん。これ、どうするの!?なんでやってないの??」と言うと、すました顔で、「ああ、やります、やります」と言う。
1年間やらずして、それを指摘されたら平気で「ああ、やります」と言うヤツである。いつやるの!?今じゃもう遅いんですけど。

前館長と私がいた時にでも、この仕事ぶりである。
きょうから、なにもしない館長の下で、どれくらい仕事をこなせるのやら。

私は事務員の仕事を次の人に引き継いで、肩の荷を下ろす。
もう考えなくてよいのである。こんなに「任期が終わってよかった」とホッとするとは思いもしなかった。複雑ではあるが、どうしようもない。