最後にラブ??

3月の最終週の話である。


公民館の図書室に本を借りに来るのはほとんどが子供なのだが、常連の大人の人も数人いる。
公民館は平日朝8時半から5時15分までの営業?なので、仕事をしている人はなかなか利用できない。

なので、特に、若い男の人で、図書室によく借りに来る人はめずらしい。
この場合、若い、というのは、定年前の就労しているであろう人、という意味であるが(笑)

その2,3人しかいない男の人の中の1人が、けっこう私の本の趣味に沿った本を借りていくので、貸し出しの手続きを窓口でするときに、自然と話をするようになった。
私が勧める本を借りて帰って、また返しに来た時に感想を言い合う、くらいの会話ではあった。

そして、勤務の最後の週に、「今月いっぱいで辞めるんです。お世話になりました。」と私が挨拶した時のことである。
その人は、「えええええー、本当ですか。いつもおもしろい本を教えてくれて・・・」と絶句した。「僕の周りには、本を読む人がいなくて・・。」とも言った。
私も「本の趣味が合いましたねー。お会いできなくなるのが残念です。」と言い、お互いに、「お世話になりました」と頭をさげて、お別れの挨拶をしたのであった。

そして、10分後くらいであったか、なぜか、帰ったはずのその人が、窓口に顔を出した。そして、「これを」と本を差し出した。
??と思って顔を見たら、「これは僕が買って読んだ本なんですけど、もし読んでなかったら、差し上げます。これくらいしか、今思いつくものがないので。」と言った。家へ帰ってから、その本を持ってまた来てくれたのである。

私はなんとも感激してしまって、「ありがとうございます!」と言って、思わず涙ぐんでしまいました。きゃあ(*^_^*)

その人は、「じゃあ、お元気でー」と帰っていきました。
おおお、なんか、ラブだわ♡、きゃあきゃあ♡♡、と、それから私は心の中でずっとつぶやいて、とっても幸せな気分でした。
いや〜〜〜、よかったよかった。なかなか、こんなことってないですよー。
うれしかったです。