山 回想

山に行った3人の男の子(おっさんであるが 笑)のうち、2人がカメラ小僧だった。
2人は山は初めてだというのに、カメラはもちろん、ビデオ機器まで持ってきていた。
尾根を一列になって歩いていて、ふと振り返ると、後ろから撮られていた。足元の危険より、カメラ撮影をとる奴らである。後日、編集してまた作品にしてネットにあげてくれるらしい。
山頂では、「一眼レフを持ってくるんだった」と本気で悔しがっていた。デジカメ、アイフォン、アイパッド、ビデオカメラを持ってきていて、その上まだそんなことを言っている。いったい何を撮るつもりなんだ。呆れる。

お昼を食べたときのことであるが、3人の男の子のうち、一人だけが愛妻弁当を持ってきていた。あとの二人と、私はコンビニのおにぎりだった。
その子に「朝早かったのに、奥さんがちゃんと作ってくれたんやね」と私が言うと、他の一人が「うちは、釣りに行くときも作ってくれない」とちょっと愚痴ったのが印象的だった(笑)

下山して、ふもとの湖畔で紅葉を見ながらまた写真を撮った。最後に、アイフォンと連動してシャッターがおりるカメラで記念撮影をした。手元のアイフォンの画面で画像を確認しながら、前に据えたカメラのシャッターが押せるのである。カメラもえらく進化するものである。

その画像を携帯に送ってもらって見たら、めっちゃ4人が笑顔でくっついて写っていたので笑えた。そしたら、「そんなに面白い写真?」と聞かれたので、「いや〜、仲ええなあ、と思って」と答えたら、「そうやな」と言われた。泣けた。

年末にはまたプチ同級会を企画してくれるそうだ。他の同級生も集まって、この登山の画像をアイパッドで流しながら話が盛り上がるのだろう。
カメラ小僧のいる同級会は、ハイテク機器満載である。すごいよね、と感心するばかりである。