夜桜

今日は夕方から歓送迎会があった。
私と館長は、去る側である。
自治会や老人会、他いろいろな人が集まってくれて、最後にお花をいただいて、感謝感激の会となった。


会では、お酒を勧められたが、「鼻炎の薬を飲んでいるので」と言って断って、お茶を飲んでいた。
それは、ある計画があってのことだった。


会が終わったら、「送ります」と言って、私の車に心に決めた人に乗ってもらう。そして、夜桜を観に、強制的に連れて行く。
そのために、トランクには、ビールとコーヒーとお菓子を買って積んである。


会が終わって、女子1名男子2名をピックアップして、車を出した。
本当は、館長も乗せる計画だったのだが、他の人が酔った館長を送っていく、と言い張ったので、おまかせすることにした。
その代わりに乗った人は、やっぱりしんどいので家へ送ってくれ、というので、その人を家まで送って、結局男子1名、女子1名、そして私の3人で、夜桜を観に行くことになった。


桜の咲く川べりに着き、車を置いて、男の人を真ん中にして歩いた。
時々、3人で腕を組んだりした。

土手の所で座って、2人はビールを、私は缶コーヒーを飲んだ。
薄暗い提灯の明かりに照らされた満開の桜は見事だった。
見上げると、星空のように、桜がどこまでも広がっていた。

1時間ほどいて、寒くなってきたのでまた車に戻り、私は2人を送り届けて帰り、家でビールを開けて一人で乾杯した。


とても良い春の宵。
明日あさっては爆弾低気圧で強風、雨が降るらしい。
桜ももう終わりだろう。名残惜しくはあるが、それも自然の摂理。