汚れ

今日も事件は教室で起こる(笑)
前回、「ぬり絵」で登場した小一の男の子。今日は、「音読カード」記入で爆発。
音読カードとは、国語の教科書の今習っているところを声を出して読み、聞いてもらった人に、読んだ回数と、声の大きさの○と、確認の印を書いてもらうカードである。
一番最初の欄に、単元の題名を書くのだが、きょうの単元は、「くまさんとありさんのごあいさつ」で、書くスペースが全然足りなかった。2,3回書いても、くまさんとありさん、あたりで欄が終わってしまう。小一なので、まだ、大きい字しか書けんからね。
そして、「それでいいよ」と私が言っても、「全部書く」と言って譲らない。「じゃあ、2段にして書く?」というと、「いやだ」と言う。「じゃあ、せんせいが書こうか?」と言うと、「自分で書く」と言う。
そして、書いては消し、を繰り返して、ついには、欄が、消した跡で真っ黒になってしまった。何回も消していたら、その跡がのこるのである。なんせ、小一の子が使うのは、2Bの鉛筆だから。
そして、ついには、その黒い跡をジッと見つめて、あろう事か、ぐじゃぐじゃっと鉛筆でその欄を塗りつぶしてしまい、消しゴムを床に投げ、うつ伏して泣き出した。オーマイガッ!である。

私が、「貸してごらん」と言って、カードを私の消しゴムで消してみても、もう紙に刷り込まれた黒い跡は、全然消えず、2,3年生が「どうしたん」と机を取り囲む。もうひとりのせんせいが、「みんな、向こうへ行きなさい」と怒り、小一男子に「もっと(筆圧を)加減して書かないから、消えなくなるんよ。」とちょっと酷なことを言い(無理よ)、私は無い知恵を絞り、その黒くなった欄のサイズに新しい紙を切って貼り、枠線を引いてやり、「これでいい?」と聞くと、やっと、ウン、と泣くのをやめたので、やれやれ、と胸をなでおろしたのでありました。

その後、その子は「くまさんと」まで自分で書き、残りは私が小さめな字で枠内に収めて書き、やっと音読が始まったのでありました。

そして、無事音読が終わり、聞いた印も書いたあと、その子が「消しゴムがない」というので、ああ、さっき、投げたよな、と思い、床を見ても、どこにも無い。「みんな、○くんの消しゴム、この辺に落ちていたと思うんだけど、知らない?」と聞いてみると、3年男子が「あ、これかも」と、自分の筆箱の中から出してきた。落ちていたので、拾って自分のものにしていたらしい(笑)

形と大きさが、確かに○くんのものだったので、「ああ、それそれ」と受け取り、○君に渡すと、言った言葉が「ぼくの、こんなにきれいじゃなかった」だと。その瞬間、「カードについた黒い汚れは、消しゴムの汚れだったのね」と一気に謎が解決した。汚い消しゴムで消したら、そりゃあ、きれいに消せないのは当たり前やー。そして、消しゴムの方が、汚れを紙に擦り付けたことで、ピッカピカになっていたのである。
なんだか、毎日、面白すぎて、疲れる(笑)