指さし

なにぃ、だの、あぃ(あれ)、こぃ(これ)などが、しょちゅう会話にでてきて、何言ってるのかまったくわからない上司の指示。

「なにぃが言よったろわ、あぃのことよ、あぃ。ほじゃけん、なにぃに こぃ持って行って、なにぃしてきてくれや。」

こう言われて、「はい、わかりました。」と動ける部下がどこにいる。

初めの「なにぃ」は、人の名前。本人は、おぼろげながらにその人の顔を思い出してはいるが、名前までは出てこないらしい。
そして、「なにぃしてきてくれ」は、どうやら私に何かをしてきてほしいようだ。

推測できる部分は、こちらも必死に頭をフル回転させて考えるが、どう考えてもわからん場合はしかたないので、「えーと。なにぃは、誰で、あぃは、何のことですかね??」と聞く他にすべはない。


昨日のことであるが、また、例によって、”あぃこぃなにぃ”の指示がでた。
しかも、上司自身、自分の言い方ではらちがあかないことをもどかしく思ったらしく、
「あぃにもなにぃをたのんどろ〜〜、あぃにも。」と言いながら、右腕をシャキっとあげ、「あぃよ、あぃ。」と空中を指さしながら、自信たっぷりに私の顔を見る。

今週末の敬老会のための準備物を、ある商店に注文してあるので、その代金を、JAの口座からおろしてこい、と言いたいのだとはわかったが(すごいやろー)、いくらその指のさす方向をみても、その商店の名前がなんなんだかは、さっぱりわからないのであった。