S君

風邪で寝込んでいた。
浅い夢をいっぱい見た。
バスに乗っていた。バスツアーのようだった。隣には、S君という、大学受験の時に東京で知り合いになった、男子が座っていた。東京の大学を受けた時、同じホテル(受験生パック)に泊まっていて、ロビーで初対面で会って、お互い??一目ぼれをした男子である。
その後、彼は、金沢大学に、私は京都の大学に進学し、1度彼が京都に来、1度私が金沢に行き、遠距離がゆえに、自然と消滅してしまったという、淡い淡い恋だったのである。思えば、手さえつないでなかった。

その彼が隣の席に座っていて、体を寄せ合って、バスに黙って揺られている。
そのうち、休憩でバスがとまって、彼が先に降りて行った。私は、近くに座っていた中学の同級生の女の子に、「S君ってかっこいいやろ〜」と言った。「そうやね」とその子が言って、私は急いでS君の後を追って降りて行った。S君は、後姿で待っていてくれたが、顔は見えない。

そこで、目が覚めた。体を寄せ合っていたものは、固めの大きい枕だった。
S君がいまごろ夢に出てくるなんて、思いもよらなかったよ。受験シーズンだから?
急に、あのころに戻りたくなった。気持ちがちょっと弱っています。


明日からは仕事です。また、頑張ります。