恐怖のデカスイカ

実家に行った時のことである。
母が言った。「今年、でっかいスイカができたんよ。食べていきなさい。」
すでに収穫して廊下に置かれていたスイカを見て、ぶっとんだ。デカイのである。超巨大ラグビーボール型をしている。母が持てないので、うちの息子が替わりにかかえて台所に持ってきた。
「12Kgあるんよ。」と母が言う。そして、「今日食べて、残りはもって帰ったらいいよ。」と、のたまった。おいおい、おいおい。
母は、2対8くらいのところで包丁を入れた。8のほうを持って帰れ、と切り口にラップを巻き、スーパーのビニール袋の特大のヤツに入れ、はよもって帰れ、帰ったらコレを4つくらいに切って、冷蔵庫に入れなさい、と言う。

みなさん、ご存知かどうか知りませんが、スイカを冷蔵庫に入れるとどのくらい場所を取るか。丸ごと貰ったんなら、そのへんに転がしておけばいいんだけど、切ったのもらったら、絶対冷蔵庫に入れないと腐るやん。
どうすんの。このデカスイカ。12Kgの8割って9.6kgやで。

家に帰って冷蔵庫を覗く。必要な物が詰まっている。これ、どけて、スイカをいれないといかんのかい。
食べりゃええやん、と思うでしょうが。スイカ、2、3切れ食べたらお腹冷え冷え、タポタポやで。
家帰ったの、11時過ぎですよ。お腹壊してまで食べられませんよお。

私は相当悪態つきながら、9,6Kgスイカを切り分け、でかいお皿を4枚出して、切り身?を乗せ、ラップをして、冷蔵庫にいれた。息子も娘も見に来た。そして、3人で虚無感にひたった。

次の日、一皿分の切り身を食べた。一人ノルマ最低3切れ。途中で、もうこの夏スイカは食べたくない、と本気で思う。スイカが生ものでなければよかったのに。
それでも、スイカを食べてしまわないと、他のものを入れられないのよ。

超巨大スイカは皮も分厚い。食べた後も、皮の処理、という問題が発生する。実家だと、裏の畑の穴に捨てにいけばいいのだ。うちはそれができません。
分厚い皮を切り刻み、ディスポーザーに投入することにする。一皿分でもすごい量。入れました。ガガガ、って音がして、全然回りません。量が多すぎたのね、と半分取り出す。それでも、ガガガ、と空しく音がするだけで、回りません。えええ、壊れた??うっそお、有り得ん〜〜。
全部出して、中を懐中電灯で見てみる。なにもわかりません。見ただけでは異常ないようだけど。でも、回りません。現実。
息子は、ディスポーザーの歯にスイカの種が挟まったんじゃないの、とか、一杯入れすぎたから、無理がかかったんじゃないの、とか言う。
鳥の骨でも砕くと言う、20年前くらいに設置した、丈夫が取り柄だといううたい文句だったアメリカ製のディスポーザー
実家の恐怖のデカスイカによって破壊されました。

あ〜〜〜あ。