漢方外来、診察 ①

漢方医にかかっている。きっかけは、49になってからの突然の体調の変化である。どこといって、悪いわけではないが、49年使い続けた身体の部品が急にへたってきたような実感がある。特に、目と気力。

48の時にはまったく思わなかったのに、なんでなんだ。身体の部品は交換できないもんな。目なんか、使い捨てコンタクトのように、1ヶ月ごとに新しいのに交換できたらいいのに。しかし、今からフルで働きに出ようかというときにこんなことではイカンやろ、と思って本格的に漢方薬で体質改善というか、強化をしようと考えたのである。

予約を入れると1週間待ちであった。予約の日が来て、診察の30分前に病院に入り、何十項目もの問診に鉛筆を走らせる。「どこのどういう症状を改善したいか」など体調についての質問のほか、「米のご飯は一日何回か」とか、「水をよく飲むか」、「甘いものが好きか」など食生活の事、「何時に寝て何時に起きるか」「運動はしているか」など生活習慣の事、書き終えて、受付に渡した。

次は看護婦さんが、血圧と脈を診察。そして一言。「まあ、細い脈だこと。」あらー。「あの、脈が細いってことは、どうなんですか?」と思わず聞くと、「ドク、ドク、と力強く打ってなくて、とてもお上品な脈なんですよ。」と言う。お上品、と言われてうれしくなる(笑)。「若いころはもっと低血圧だったでしょう?」と言われたので、「はい」と答える。朝がとても苦手だった。それは今も変わらないが。やばいぞ、朝起き辛いのが立証されてしまった。毎日早起きして仕事にいかないといけないのになあ・・。

そして、ついに診察室に呼ばれて入った。男の先生である。60代くらいの人で、作務衣を着ておられる。問診表を元に、かなり早口で質問攻めに合い、面食らう。「甘いものが好き、って書いてあるけど、一日どのくらい食べるの?」「はあ、まあ、食べない日もあるんですけど、食べる時は一日2回くらい・・」と言うと、「はっきりしない答え方はやめてね。判断しにくくなるから。じゃあ、一日2回くらいね。何を食べるの?」「ええとお、クッキーとか・・。」「クッキーね。他は?」「はあ、蜜柑とか。」という感じでグイグイ押されて、気力負けして、うう、という感じ。そして、「甘いもの、食べすぎ。お菓子は二日に一回くらいにしてね。クッキーは日本のもの?」「はい、そうです。」「日本のはね、ショートニングが使われてるでしょ。トランス脂肪酸ってね、アメリカでは禁止されてる物質が入ってるからね。ダメなの。アメリカのクッキーはね、入ってないから。クッキーは食べないで。アメリカ産のならいいけど。」

ええ、そうなんですか。トランス脂肪酸のことは知っているけど、なかなかそこまで言い切った指導はされたことがないなあ、と驚きました。(次回に続く)