柑橘物語

家からちょっと離れたスーパーへ行った。1m四方くらいの柑橘類売り場(果物売り場ではない)に盛り盛り、と小山のように盛られているミカン達。はれひめ、ネーブル、ぽんかん、文旦、せとか、紅まどんな、伊予柑、でこぽん。もちろん、温州みかんもそれぞれの地域の名前がついて、「一口蜜柑」「あまい蜜柑」SML取り揃えて箱買いで(ダンボール箱にはいって、一箱で値段がついている)どうぞどうぞと手招きしている。

「はれひめ」は、オレンジ系かんきつと温州みかんの交配品種で、2004年に品種登録されたもの。さわやかな風味と食べやすさを、両親からいいとこ取りで受け継ぎました、と「さわやか県民だより 12月号」にある。
「せとか」は、糖度の高いかんきつを2世代にわたって交配し誕生したもの。色、香り、味わいすべてが濃厚で、特にハウス栽培品は外観に優れ、贈り物にも最適、なのだ。

「紅まどんな」は、「南香」と「天草」の交配種で、2005年の品種登録。種はなく、袋も薄いので食べやすく、柔らかい果肉は口の中でゼリーのように上品にとろけ、のどごしもなめらか。皮がうすいのでナイフでカットして食べるのですが、これぞデザートの柑橘王。お歳暮にもよく使われる(高級品)

2月になると、「甘平(かんぺい)」という「西之香」と「デコポン」の交配種で2007年に品種登録された、「デコポンを超えるおいしさ」と県一押しの新柑橘が出る。扁平な形で、樹上で完熟させ、デコポンを凌ぐ甘さだという。これはまだ未体験なので、見つけたら即買わねばならぬ。

この柑橘祭りの時期、輸入のグレープフルーツやオレンジは隅の方にこじんまりと控えている。春が過ぎて、この賑わいも一段落し、柑橘売り場が寂しくなり、グレープフルーツが場所を広げるころ、通の間では「河内晩柑(かわうちばんかん)」が人気となる。分厚い皮だが、手で剥け、ほんのり甘いさわやかな味わいで、ジューシー。果実が大きいので、休日の朝など、これ1コで朝食になる。あまり出回らないので、わたしは県内の農園からお取り寄せしています。(おすすめ みかん職人武田屋→HP有)

これからの新品種として、「媛小春」というのがあるらしい。あと、地球温暖化の影響で、ブラッドオレンジが試験栽培されているらしい。おおお。

こんなに柑橘の品種の名前を認識したのは今回が初めてだ。この知識が去年にあれば、「食の検定3級」の地域問題の点数が1点上がっていたのに。まあ、合格したからいいんだけどね。学問は身近にある、と実感する今日この頃。