ボクちゃん、タトゥーなんか、いれたらダメやで。

本屋に行って、雑誌の立ち読みをしていたら、黄色い髪のボクが2人と、女の子が1人、うろうろと何かを探している。
男の子が、「このへんにあったのに。」と言って、店員に聞きに行った。
店員がボクちゃんと一緒に歩いてきて、「ここです。」と言って棚を指差した。
「ああ、あるやん。ありがとう。」と、黄色い髪のボクちゃんが言い、店員は去っていった。
見かけは黄色い髪のボクちゃんだが、案外ちゃんとした子なんだなあ、と思い、店員が指差した棚をチラッと見たら、そこには『タトゥー』の文字が・・・。

3人とも、中学を卒業したくらいの年頃だ。
「○○さんが、タダでいれてやる、って言ってたから、おれ、やってもらうんや。」
と刺青雑誌(!?)のページをめくっている。
「こんな、薔薇が真ん中にあるやつで・・・。」
上腕にポイントでいれる、とかではなく、背中にド派手な薔薇がいくつも彫ってある写真を見ている。
タトゥーをいれたいのはボクちゃんのうち1人のようで、もう一人は車の雑誌を見ている。
女の子は、タトゥーの雑誌を一緒に見ているが、どうでもいい感じの顔をしている。

あんたなあ、それ、タダでやってもらえるからって、入れちゃったら、もうプールとか行けへんようなるで。
スパとか、銭湯とか、健康ランドとか、全部断られるで。
ほんで、あんたの将来、もう決まってしまうで。やめとき。

心の中で、つぶやきながら、その場を離れたが、そのボクの刺青に吸い寄せられるような一途なキラキラした目が忘れられない。
願わくば、その話、無かったことになりますように、と祈りたい。

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読み終えた本
○なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか 渡辺満  自由国民社
 愛媛では新参者のジュンク堂のことがよくわかった。
 松山の紀伊国屋の後に入ったジュンク堂、天井から床まで本が並んでいて、すごい圧迫感なんですよね。
 社長のお父さんのお名前「工藤淳」をひっくりかえして「ジュン・クドウ」という社名になったとは。

○脳を喜ばせて歌う方法ーヴォーカル・クオリアの世界 毛木敦彦
 人に備わっている、歌う、という機能を開放してやると、ミラクルヴォイスで歌うことが出来、その歌声は人々を心から感動させる。
 ふむ、ふむ、それが可能になるのは、今までの歌う概念をすべて否定するとこから始まるのだね。
 まるで、魔法の本のような内容で、私には一体どう実践したらいいのやら、さっぱりわかりません。
私にも、ミラクルボイスが出せる機能が備わっているらしいのに、残念です・・・。