傾聴

傾聴についての講演を聞きに行った。

傾聴とは、相手の話を聴くことである。

話をきくことには、「訊く」、「聞く」、「聴く」の三段階があり、訊く、は訊問(訊問する)、聞く、は、聞こえている、聴く、は相手の気持ちを考えながら話を聴く、ということだそうだ。

普段の私たちの会話は、人数分だけ話し手がいる状態らしい。
たとえば、「昨日、お隣さんから柿をいっぱいもらったんよ。」と相手に言われた時、「あら、よかったね。柿っていえば、うちの実家にも大きな柿の木があってね、私も子供の頃よく食べたわ」という感じ。

これが、傾聴になると、「嬉しかったでしょう?」と相手の気持ちを言ってあげることになるらしい。そうすると、相手も、「そうなんよー」と自分の気持ちがわかってもらえて、いい気持ちになる、という。よかったね、というのは自分の気持ちで、それを言ってはいけない、あくまでも相手の気持ちを言ってあげることが大事とのこと。

相手の気持ちを瞬時にわかって、それを言ってあげるという作業?は、なかなか難しいのではないか。そして、どうしても、相手の会話の中でひっかかるキーワードがあれば、ついつい自分の体験を語りたくなるのではないか、と私は思った。
それを訓練する講座もあって、術を習得した人は、高齢者施設などに行って、お年寄りの話し相手のボランティアをしたりするという。

人の話を聴くことは難しいことだ。聴き手に徹する、なんて、なかなかできん。

私の場合、愚痴の多い母の話を気持ちよく聴くコツが学べれば、と思って講演に行ったのだが、一般的に身内の話は自分の感情が入って、傾聴はできにくいとのことだった。さもありなん。

でも、せっかく勉強したことを、日常で生かすことはできると思うので、やってみようかな、と思います。