2日目 7/14 夕方

100円循環バスを河原町三条バス停で待つ。
これに乗って四条烏丸まで行き、山鉾町へ入ろうと思っていたのである。
バス停には「5時半から四条通が交通規制がかかるので、バスはそれ以降は欠航します」と書いてあった。
時間は4時半過ぎだったが、いくら待っても循環バスは来ない。10分置きに来るはずなのに、あまりの来なさ加減に、不安を覚え、「もう、来ないのかな。仕方がないから歩いていこか」と話し合っているところに一人のおばさんが近寄ってきて、
「今バスが来てるのが見えたぇ。私も歩こうか思てたけど、バス見えたから乗ろぅと思て」と声をかけてくださった。親切な地元の方であった。感謝。

御池通りから烏丸通りへ曲がった途端、バスがなかなか動かなくなった。
高倉あたりでバスが止まり前のドアも開いたので、停留所かと思い、
「もうここで降りようか」と前に行くと、運転手さんが、開いたドアから道にいる男の人と会話している。警備の警官らしい。
四条通がものすごく混んでいるので、四条行く人はここで降りてもらって。」と言っている。「このバスが最終になると思うから」などとも言う。
それを聞いていた年配の婦人が「じゃあ、高島屋には行かへんの?」と困った顔で言う。すると、「高島屋へは行きますよ。このまま五条まで行って、河原町上がります。」と運転手が答えた。えらい遠回りである。
もう一人、別の婦人が「じゃあ、松原へは?」と言い、「松原はもともと行きませんよ」と言われていた。間違って乗ってしまったらしい。

そこでバスを降り、四条烏丸の交差点を渡り、とりあえず四条通をまっすぐ歩いていくことにした。まだ歩行者天国にはなっていないので、歩道が人で埋まり、小雨が降っているのでみんな傘を差していて、普通に歩くこともままならない。
通りに入った瞬間に、お囃子の音に包まれる。ホテルのロビーでも、商店街でもお囃子のBGMがずっとかかっていたが、これは本物である。うきうき。

すぐに道の向こうに函谷鉾(かんこほこ)が見えた。
そして、目の前には月鉾。鉾の頭には新月型(みかづき)がついている。鉾の内部の見学ができるようになっている。道沿いの建物の2階から回廊がつながっていて、そこを人が行き来している。
これは、券を買わないといけないようだ。券売り場もわからず人の流れに押され、四条通りをひたすら進む。通り過ぎながら、鉾を見上げると、お囃子のみなさんのお尻が並んで見えた。

次にあったのが郭巨山(かっきょやま)。
それぞれの鉾の前には大きな酒樽が積み上げられ、印が入った提灯が高い所から山形につるされ、明かりが入っている。
テントでは厄除けちまき、護符、手ぬぐいなどが売られている。
ビールや氷を売る露店もいっぱい出ている。とにかくすごい人、人。そして、やまない雨・・。ううう。

四条傘鉾までたどり着く。応仁の乱以来の傘鉾の原型を保っている、とのこと。独特な形の鉾。かっこいい。
鉾の写真をとったけど、雨なので、全部ビニールがかけられていて、せっかくの模様がよくわからない。これだけは残念だった。

四条通の鉾はここまでなので、今度は戻りながら路地に入って他の鉾をみることにする。

引き返してすぐの路地に、蟷螂山(とうろうやま)。提灯の紋がカマキリのモチーフである。古いけど、モダンな感じがする。
小さい子たちが鉾の前に列になって、甚句??をご披露してくれていた。地元の子供さんたち。かわいらしさいっぱいである。
ここの山鉾グッズで、Tシャツがある、とリサーチしていた。毎年、デザイナーが変わるとか。今年は、永田萌さんである。
白と黒の色違いがあり、生地に水玉が散り、前面にはカマキリに乗ったかわいい童子が蟷螂山と書いた旗を持っている。背面は、でっかい蟷螂山の紋。
白のSはもう売り切れとのことで、黒のSを買う。一応、息子へのお土産ということにして(昆虫好き)、息子が着なかったら私が着るのだ。やっぱり女性向のデザインかも。2500円。

また四条通りに出たころ、通りが歩行者天国になった。歩道から離れ、車道へでて、やっとのびのび歩けるか、とも思ったが、どんどん増えてくる人。みんな、さしている傘が人に当たらないように、上にあげたり、よけたり、大変。左側通行で、御池通りに向けて歩く。
他の路地に入ろうと思っても、もう人の流れを横に切って歩くことができない。気力の限界(笑)を感じ、帰ることにする。見たし。買ったし。十分楽しんだし。すごいのは、この人の出。
今度来るときは、傘無しで、身軽に来たいものである。