わかりやすい人

公民館に、本庁から市民税課が来て、一日部屋を借りていた。

その業務が終わって、係長が「終わりました。一日お世話になりました」と事務室にあいさつに来た。

私も挨拶をするべく、仕事をしながらではあるが、その係長のほうに笑顔を向けていたが、係長は、館長とばかり話をして、こちらを見もしなかった。
部下の若いさわやかなお兄さん達は、私に会釈をしてくれて、帰って行った。

なにか、しっくりとしない気持ちであった。

すると、館長が、「今の○クン(係長)の奥さん、すごい美人なんぞ〜。」と言った。そして、「彼は、バツ一で、女性とのうわさもいっぱいあってな〜」と言い、館長と私の共通の知人のAさんが、市民税課でアルバイトをしたとき、
「係長は、私らおばちゃんにはそうでもないけど、若い女の子には、すごく話しかけたり、優しくする。」と言っていたことを教えてくれた。

へえ、そうなんですか、と答えて、しばらくして、さっき館長から聞いたことがストンと腑に落ちて、思わず笑ってしまった。

その係長が、帰り際、私のほうを見もしなかったのは、私に興味がなかったからなのね。もし、かわりに若い子がいたとしたら、絶対愛想をふりまいて帰っていったのでしょうね。

笑いながら、そう館長に言ったら、「ほうじゃのう、若い子がおったら、きっと事務所の中にまで入ってきて、話して帰ったじゃろうのお。」と館長も笑い、私の心にひっかかっていたものは、跡形もなく溶けたのであった。

わかりやすすぎて、オモシロイ。
ドラマにでも出てきそうなキャラの人を、現実に見れて、うれしかった。ほんまにおるんやなぁ〜〜〜、そんな人。オモロ過ぎ〜〜(笑)