京都旅行 覚書 最終日

朝から小雨である。チェックアウトが11時なので、それまで散歩をすることにする。四条通から新京極、寺町京極、錦通りを歩く。上に屋根があるので、傘いらずである。時間が早いので、ほとんどの店はまだ開いていないのだが、錦ではちらほら開店している店もあるので、じっくり1軒づつ見ていくことにする。

御漬物の店には、季節限定の筍の漬物が出ている。買って帰りたいのだが、要冷蔵なのであきらめる。持って帰る間に痛んだらイヤやし〜。山ごぼうも買いたかったなあ・・。

まるしげ(お菓子屋)の店頭で派手に「小林麻央さんのブログで紹介されました」と宣伝しているのは『呼吸チョコ』である。北新地ティラミスチョコレート、あまりの美味しさに、お客さんからの要望で大袋も作りました、とのこと。北新地と祇園味?を買う。他にもきな粉味もありました。

竹長さんでは、黒豆茶を勧められる。さっと試飲させてくれるので、つい買ってしまう。他にも丹波黒しぼり豆の甘納豆、種子島産安納芋の金つば、黒豆にきな粉をまぶしたものなど。甘エビのピリ辛佃煮も買いたかったが、これを買うとビールがすすみ過ぎる、と自戒して買わず。あとで後悔。

ホテルに戻りチェックアウトし、、キャリーケースを転がしながら四条通りを烏丸方面へ歩き、地下へ潜る。駅中にはSIZUYAさんが。学生時代には、三条大橋のふもとにあった店でよくパンを買ったものです。

地下鉄に乗り、京都駅に。今日は21日なので、東寺で開かれている弘法市を見ようと思っているのだ。近鉄の乗り場を探して案内板どおりに歩いていくと、アバンティへ出る階段に出てしまった。八条口(新幹線口)のほうである。「ありゃ、わからんようになってしまった。どうしよう」と思い、娘ともう一度来た方向に戻るかと相談をしていると、若い娘さんが「どこへ行かれるのですか?」と声をかけてきた。「近鉄に乗りたい」というと、きっぱりと私らが今歩いてきた道を指差す。「あっちです。」と。
礼を言って、引き返そうとすると、今度は小柄なおばあさんが、「あなたはどこへ行くの?」と声をかけてきた。「近鉄に乗って東寺へ」と言うと、もう一人それを聞きつけた通りがかりのおばさんが、「東寺いかはるんだったら、歩いていかはったらええよ」と言う。そして、「新都ホテルを過ぎて、イオンを過ぎて、堀川通りを越えたところくらいで、またその辺の人に聞いてもらったらええわ。まっすぐやし。」という。
最初に声をかけてきた小柄なおばあさんは、どうも観光客らしい。そして、地元のおばさんの言うことに「はいはい」とうなずいている。

私らは荷物も持っているし、雨も降っているので、近鉄で行きたいのである。しかし、その観光客のおばあさんが、「私はこの人たち(私ら)と一緒に歩いていきます」と地元のおばさんに宣言し、「行きましょう」と言う。なんだか面倒なことになった・・と思い、そのおばあさんを見ると、なんと外国人の若い女の人を連れている。そして、英語でなりゆきを説明している。「いやー、すごいね」と娘といいつつ、なんとか荷物だけはロッカーに預けたいものだ、と空ロッカーを探すが、一つも空いていない。

アバンティに続く階段を上がると八条口である。八条口から近鉄の乗り場に入りなおせばいいということに気づいたのは、かなり後になってからである。私は、傘をさして、キャリーケースを転がしながら、娘とおばあさんと外人さんとを先導して、八条通りをひたすら歩く。こっち方面は来た事がないのである。かなり歩いて、不安になってきたころ、「東寺350m」という案内板を見つけた。ホッとした。20分くらい歩いただろうか。道々、連れの女の人は、おばあさんの娘さんで、おばあさんは5歳の時にサンフランシスコに渡ったのだ、という話を聞く。あと3日京都にいるのだ、と言っていた。
東寺につき、お礼を言われたので、「ユーアー ウエルカム」と言ってお別れした。珍道中であった。

弘法市は、植木、食器、服、アクセサリー、食べ物などのテントがいっぱい並んでいる。雨だし、荷物を持っているので、食堂があるお寺の会館の入口に荷物を置き、一人は荷物番、一人は市の見学に行くこととする。お昼も食堂で食べた。雨がふったら、どうにもならないのである。荷物も持ってるしなあ・・。また晴れた日に来てみたいな。

帰りは、東寺から5分の近鉄東寺駅から電車に乗って、一駅で京都駅へ。晴れてて、荷物もなかったら、歩く距離だなあ、とは思うが、雨で荷物を持っていて、不案内な旅人には、「歩かはったらええわ」と言うより、希望どおり電車の乗り場を教えてくれるのが親切かと思ったりしました。
私もおばあさんと一緒に歩くことになってテンパッてしまったので、「駅に外から入りなおす」ことすら思いつかなかった・・。バカやねえ。

京都駅に着き、最後のミッション(娘の希望)である、都路里の抹茶パフェを食べに伊勢丹の中の都路里へ。祇園の本店では40分くらい待つのが普通らしい。伊勢丹のお店も行列が。20分待ちです、と言われたが、もう後は行くところがないので、ゆったり待つ。順番がきて、店内に通され、抹茶パフェの春バージョンを頼んだ。抹茶アイスに桜の花びらのような赤い飾りがあり、アイスの下には抹茶カステラ、白玉、苺がある。旅のしめくくりにふさわしい味である。

その後、私は新幹線で帰途につき、娘は大阪に就職した大学時代の友達と京都で落ち合うとのことで、また四条河原町へ。京都駅での別れは後ろ髪を引かれる思いでしたな。また明日から東京でがんばれ、娘!!

私の乗った新幹線の接続の「しおかぜ」(四国在来線)は、またアンパンマン列車だった。何も考えもせず、予約をとったのだが、行きも帰りもうれしいアンパンマン列車。最後までよい旅でした。さて、日常に戻るとしますか。また行くよ。京都、ありがとう。