思い込み

NHKのSONGSという番組で、南こうせつ伊勢正三さんが出ていて、録画していたのを今日見たのだが、こうせつさんが、
「僕のアパートは、当時としては珍しくお風呂があってね」と語っていたのを聞いて、ガ〜〜〜ンときた。

かぐや姫がデビューした当時、私は小学6年か、中学に上がったころくらいで、
神田川」の「あなたと行った横丁の風呂屋〜♪」という歌詞を聴いて、いつも、
「古いアパートに住んでいるカップルが、銭湯に肩を並べて行って、先に出た女の人の洗い髪が芯まで冷えて〜、って、ふ〜〜ん・・・・実体験なんだろうなー」と、都会の、貧乏だけど恋人同士で幸せな風景を思い浮かべていた。

自分の大学時代でも、借りていたアパートにはお風呂がなくて、近くの銭湯に行っていた。1980年代なかばのことである。

それなのに、南こうせつさんの住んでいたアパートは、風呂付。
風呂を借りに来た伊勢正三さん(笑)が、こうせつさんが風呂に入っている間に、こうせつさんの作ったメロディーに詞をつけてあっという間に曲を作った、という話も、なんだか「僕のアパートには風呂があってね」という一言に負けて、印象が薄かった。

風呂付アパートの話は、「神田川」を聴いて大人になった世代の人間としては、聞きたくなかった話である。まあ、歌なんて虚構の世界ではあるけれども。